~体験談~

あけぼの滋賀の会員さんによる、乳がん体験談です


あけぼの滋賀 会員 S さん

◆◆◆ 私の乳がんプロフィール ◆◆◆

・37歳の時に受けた乳がん検診で異常を発見

・右乳房部分切除後に右乳房全摘出手術を再度行う

・全摘手術後に抗がん剤とホルモン療法を行う

・ステージⅠ ルミナルB


 診断当初、乳がんについて全くの無知だったので、専門家である主治医の提案通りに治療をこなしていきました。しかし、治療の途中で判断に迷うことがあり、別の病院でセカンドオピニオンを受けたことをきっかけに病院も治療方針も変わり、自分の病気をもっと知らなければと思うようになりました。

 

 手術後は、抗がん剤、ホルモン療法をしながら仕事を続けました。副作用の出方は個人差があると思います。私も脱毛をはじめさまざまな副作用が出て、例えばしんどくて少しの階段を上ることも困難になった時には職場へ相談し、電車通勤から自動車通勤に変えてもらったりしたりして、ほぼ仕事を休まずに抗がん剤治療を乗り切れたのは幸いでした。

 

 治療開始当初、一番の悩みは主治医とのコミュニケーションをどうとれば良いか分からないことでした。いろんな不安があり、尋ねたいことはたくさんあるのに、診察室の中に入ると緊張&萎縮してしまい、ほとんど何も言えないまま診察室を出て後悔ばかり・・・。そこで、思い切って病院の[がん相談支援センター]で悩みを相談しました。そこでもらったアドバイスを元に、次の診察では思っていたことの多くを主治医に告げることができ、それをきっかけに主治医への信頼が一気に深まったと感じています。今は、いつもきちんと向き合って話を聞いてくださる主治医の存在はありがたく、とても感謝しています。主治医への信頼は治療の大きな支えになっています。

 

 私はまわりに乳がん経験者が全くおらず、情報不足や孤独感について不安に思っていました。ネット上にはいろんな情報がありますが、正しくない情報や極端な体験談を見極めて有益な情報を見抜くことが自分にできるか自信がなく、必要以上に動揺してしまいそうだったので、私はあまり見ないようにしていました。病院や治療についても、メディアの情報や口コミを鵜呑みにせずに、自分の事として情報を吟味することが大切だと思っています。

 

 あけぼの滋賀へは抗がん剤治療が終わって落ち着いた頃に入会しました。「あけぼのハウス」に参加し、乳がん経験者の人たちと話していると、心の中にあった疑問や不安のあれこれが「なんだーみんなそうなんだ!乳ガンあるあるなんだ!!」と、スッと軽くなり、直接人と会って交わす言葉のチカラをとても感じました。何より、乳がんになってもうダメだーと思っていた私の目の前に、術後数年、十数年、数十年の方々が元気に並んでおられ、すごく励みになりました。もっと早く(できれば乳がんに無知だった診断された直後に)入っておけば良かったなぁと、後悔したことを覚えています。

 

 現在はホルモン療法を続けながら、1年に一度の精密検査を受けています。乳がんの治療は長期戦ですが、副作用とも付き合いつつ、根気よく続けていこうと思います。